鈴木 赳生 SUZUKI Takeo
- 専門分野
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多文化研究 / 批判的先住民研究 / 社会理論
- 所属
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- 国際文化学部 グローバルスタディーズ学科 国際文化専攻
経歴?業績
大学進学以降、京都で暮らす。博士課程在学中にカナダでの在外研究をおこない、多文化主義と先住民の運動?思想に関する研究で博士論文を執筆。日本学術振興会特別研究員PD、同志社大学都市共生研究センターでの特任助教職を経て、現職。領域的には社会学、人類学の界隈で仕事をしている。
メッセージ
「あの作品の舞台は、荒野とそこに建つ二軒の家しかないと言っていいでしょう。だがその世界を狭いと感じる人がいるでしょうか。いや誰もいない。そこにはすべてがあります。愛と憎しみが、策謀と和解が、裏切りと赦しが、その他ありとあらゆる、人間のすべてが嵐が丘にはある」
(三浦しをん「骨片」『きみはポラリス』所収、より。)
グローバル?スタディーズ学科では、海外滞在の経験を積むことが求められます。ここを志望する人には、海外が好き、旅をすることが好き、という人も多いでしょう。わたしもそうです。知らない土地に行くことは、自分の世界を広げる手助けをしてくれます。ですが同時に、どこか遠くへ行かずとも、世界を広げることはできます。小説や漫画、詩や短歌、たまに論文を読む、アニメや映画、展示を観る、なにか作ってみる、近所を歩く、人と話す、家事をする。そんな「ここ」での日常にも、「どこか」につながるヒントがあります。どこにいようと、重要なのは批判的に考えること、想像力を働かせること。どこか遠くへ行っても、決まりきったやり方でしか考えられなければ、あまり新しい発見はないかもしれない。逆に狭く思えるいまここでも、想像の風に乗れば、知らない世界へ旅ができます。
大学は、批判的な思考と想像力を養う時間と機会をくれます。教員としてその手助けをしながら、わたしもまた、自分の知らない世界を学生のみなさんから学びとりたいと思います。大学や教員を駆使して、思うままに旅をしてください。