2025年4月1日(火)、「2025年度 京都精華大学?大学院入学式」を挙行しました。
昨年度までは2部制で入学式を行っておりましたが、今年度は新入生が一堂に会し、
昨年度までは2部制で入学式を行っておりましたが、今年度は新入生が一堂に会し、
人文学部、 PK10计划人工计划、芸術学部、デザイン学部、マンガ学部、芸術研究科、デザイン研究科、マンガ研究科、人文学研究科を対象に執り行うことができました。

今年度は、学部?大学院合わせて約1,000名が入学しました。
澤田昌人学長は「教職員一同、皆さんを迎えることができて、大変嬉しく思っています。多様で幅広い考え方や見方と出会うことができるのが、京都精華大学の特長です。そしてその多様性の中から、自分に合った、自分で納得できる生き方を選んだり、新しく作ったりしていく。それは自分の生き方のルールを自分で選んだり、つくったりすることと言い換えてもいいでしょう。皆さんが、京都精華大学で「自由」を味わい、そしてそこから自分の道を自分で見つけていく「自治」に取り組むことを心より期待します。」と新入生に歓迎と激励の言葉を述べました。
澤田昌人学長は「教職員一同、皆さんを迎えることができて、大変嬉しく思っています。多様で幅広い考え方や見方と出会うことができるのが、京都精華大学の特長です。そしてその多様性の中から、自分に合った、自分で納得できる生き方を選んだり、新しく作ったりしていく。それは自分の生き方のルールを自分で選んだり、つくったりすることと言い換えてもいいでしょう。皆さんが、京都精華大学で「自由」を味わい、そしてそこから自分の道を自分で見つけていく「自治」に取り組むことを心より期待します。」と新入生に歓迎と激励の言葉を述べました。

その後は各学部長が挨拶を行いました。各学部の学びの意義や、卒業までに取り組んでほしいことを語り、ともに学ぶことを楽しみにしていると温かなメッセージを送りました。
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国際文化学部長 髙橋伸一 -
PK10计划人工计划長 吉川昌孝 -
芸術学部学部長 北野裕之 -
デザイン学部長 岸川謙介 -
マンガ学部学部長 下村 浩一 -
芸術研究科長 小松敏宏 -
デザイン研究科長 谷本尚子 -
マンガ研究科長 小田隆 -
人文学研究科長 前田茂
新入生代表挨拶は、デザイン学部 竹内 一さん、午後の部をマンガ学部 岡本興大さんが務めました。
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新入生代表 デザイン学部 竹内 一さん -
新入生代表 マンガ学部 岡本 興大さん
デザイン学部に入学した竹内 一さんは、「4年間でもっとも重要なのは自分自身の核となるものを見つめ直して、使命や生き方を見つめていくことだと考えています。4年間をとおして、多くの方々と意見を交わし学び合いながら、得られる機会やチャンスを余すことなく使っていきたいです」と、これからの大学生活への意気込みをお話しされました。
また、マンガ学部に入学した岡本興大さんは、「成長は未経験のことに挑戦することで得られると思います。今日このスピーチをすることも、とても大きな挑戦です。京都精華大学でたくさんのことにチャレンジし、大きく成長していきたいです」と、これからの期待を語ってくれました。
また、マンガ学部に入学した岡本興大さんは、「成長は未経験のことに挑戦することで得られると思います。今日このスピーチをすることも、とても大きな挑戦です。京都精華大学でたくさんのことにチャレンジし、大きく成長していきたいです」と、これからの期待を語ってくれました。

式典後は会場外に在学生有志が集まり、クラブ?サークルの勧誘など、歓迎の催しが行われました。
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。これから京都精華大学で出会う友人や教職員と、ともに学びあい、有意義で楽しい学生生活を過ごしてください。
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。これから京都精華大学で出会う友人や教職員と、ともに学びあい、有意義で楽しい学生生活を過ごしてください。
「2025年度 京都精華大学?大学院 入学式」学長挨拶
まず最初に、日本時間の3月28日に、ミャンマー中部を震源として発生した地震の被害者の方々にお見舞い申し上げます。この地震ではミャンマーのみならず、タイや中国といった周辺諸国にも被害が生じ、犠牲となった方々も多くおられると報道されています。心よりお悔やみ申し上げます。入学生のなかにもこれらの国々あるいは被害地域から来ておられる方々がおられますが、皆さんさぞ心を痛めておられると思います。繰り返しになりますが、心よりお見舞い申し上げます。
さて、新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。そしてご家族、関係者の皆様、お子様方のご入学を心よりお喜び申し上げます。京都精華大学学長の澤田と申します。本学の教職員一同、新入生の皆さんを迎えることができて大変嬉しく思っております。今日から皆さんの新しい生活が始まります。
皆さんは幸運なことに、コロナ禍をのりこえて再び活気を取り戻したキャンパスに入学されるわけです。
皆さんはこれからの大学での学び、教員や他の学生との交流に期待していると思いますし、また不安を感じていることもあると思います。初めて経験することが次々と起こる最初の数ヶ月を終えると、皆さんも大学生活に慣れてきて、学部の新入生の場合その後の3年半はあっというまに過ぎ去ります。ほんとうに短い時間ですが、充実した時間になると信じています。
さて、世界のあちこちで紛争、戦争が勃発して、第二次世界大戦後に作られたルール、つまり国際連合を始め、世界の平和と安全を保障してきた仕組みがうまく働かなくなってきました。若者は不安と焦りを持ちながら生きているものですが、このような時代にはなおさら自分たちの現在や将来が儚いもの、壊れやすいものに思えてしまうでしょう。
アイデンティティ?クライシスという言葉を聞いたことがあるかもしれません。「自分が何者であるのか、どうあるべきなのか」という「自分」への問いかけ、つまりアイデンティティの探求が、心理的に危機的な状況を招くことがあるということを示しているのですが、アイデンティティという言葉をこのような意味で使った本を書いたエリクソンという心理学者は「青年期と危機」という副題をつけています。
つまり若者はアイデンティティの面で心理的に危機的な状況に陥りやすいのです。
京都精華大学の建学の理念の一つに「自由自治」があります。池の近くにこの石碑が建っているのを見た人もいるでしょう。この言葉をどのように理解するのか、人それぞれでしょうが、私はこのように考えています。「自由自治」とは、歴史的に近代において初めて問題となる考え方だと思います。私は私たちと同じ時代であっても、社会や生き方が近代化されていない社会の研究をしていたことがあります。そこでの若者たちにはアイデンティティ?クライシス、つまり青年期の心理的な危機、つまり自分がどう生きるべきなのかについて悩み苦しむことが少ないことを感じました。一つの理由として、子供は成長して自分の親やその世代と同じように生きていくことが当然のこととして受け取られていたからです。
「自由」とは素晴らしいものですが、反面なんと面倒で苦しいことでしょうか。親の世代と同じように生きる、それ以前の先祖たちとも同じように生きて、同じように考える、つまり生活も道徳も世界観も自分で選択する必要がない時代や社会に生まれていない私たちは、仕事や家族を持つか持たないか、人生の目標などを自分で決めなければならない時代に生まれたわけです。「自由」を経験するということは過去からの伝統的な束縛から離れるということですが、その代わりに自分の倫理、世界観を自分でつくりあげるか、選択しなければならないのです。
大学とは皆さんがこのようなアイデンティティ?クライシスを乗り越える場所なのだと思います。それを経験することで、皆さんは親や兄弟姉妹と異なる人格として、異なる人生の選択をすることができます。それが伝統や社会からの「自由」という意味です。
さきほど申し上げたように「自由」には、面倒で苦しい側面もあります。『自由からの逃走』という本を書いたフロムという社会心理学者がいます。自由なはずの現代社会で、民主主義のもとであっても、人々が選挙を通じてなぜ独裁者、専制主義政治を選んでしまうのか、それは「自由」に伴うしんどさが「自由」を捨て去るほどに辛いからだとフロムは言うのです。
皆さんの青年時代においても同じようなしんどさに直面する人が多いと思います。そのしんどさから逃げずに乗り越えていくことを皆さんには期待しています。同じ国の同級生や、異なる国の同級生、先輩や教員との出会い、交流していく中で皆さんは、思っても見なかったほどの色々な考え方を知ることになるでしょう。それは皆さんにとって自分のこれまでの考え方や見方に比べて「自由」だと感じると思います。
そのように多様で幅広い考え方や見方と出会うことができるのが、京都精華大学の特長です。そしてその多様性の中から、自分に合った、自分で納得できる生き方を選んだり、新しく作ったりしていく。それは自分の生き方のルールを自分で選んだり、作ったりすることと言い換えてもいいでしょう。それが「自分で自分を治める」、つまり「自治」なのです。
皆さんが、京都精華大学で「自由」を味わい、そしてそこから自分の道を自分で見つけていく「自治」に取り組むことを心より期待し、祈って、皆さんへの歓迎のことばといたします。ご清聴ありがとうございました。
京都精華大学学長
澤田 昌人
澤田 昌人